茎 (STEM) ~大名遊ビ編~
婚・出産・離婚という人生の転機を経た後の注目のリリースであり、3rdアルバム『加爾基 精液 栗ノ花』を示唆する重要な3曲入りマキシ・シングル。アナログ・レコードのホワイト・ノイズの奥から立ち上る厭世的な<1>に始まり、ハリウッド的なオ―ケストレーションと、英語詞が印象的なタイトル・チューン<2>、そして最もオルタナティヴ・ロック色の強い<3>。まったくタイプの異なる3曲だが、この時期彼女が体感した、自分には御し難い運命への絶望でも楽観でもない、透徹した視点がある種の物語性でつながっているのも興味深い。数多のフォロワーを生んだようでいて、やはりオンリーワンのプロデュース力も感じる逸品。